「中国でもInstagramを使って集客できるのかな?」
「インバウンド集客を進めたいけど、中国人にリーチできるSNSがわからない」
そのような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
中国ではInstagramは基本的に利用できません。その代替SNSとして広く使われているのが、小紅書(RED)です。中国向けにSNSマーケティングを行うなら、小紅書の特徴と活用法を理解する必要があります。
本記事では、中国でInstagramが使えない理由から、代替SNSとして注目されている「小紅書(RED)」の特徴や仕組み、ビジネス活用事例までを網羅的に解説します。
小紅書(RED)の導入を検討している方は、ぜひご覧ください。
中国での集客を成功させている企業の多くは、すでに小紅書(RED)を活用しています。
弊社では 現地の消費者心理に合わせたコンテンツ制作とSNS運用代行で成果に直結するサポートを行います。インスタの代替SNSで集客したい方は、まずはご相談ください。
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中国でInstagramが使えない理由

中国では「グレートファイアウォール」と呼ばれる強力なインターネット規制が導入されています。この仕組みによってInstagramを含む多くのSNSが遮断されており、日本から投稿しても現地のユーザーには届きません。(※)
つまり、中国市場でInstagramを使った集客は現実的に不可能です。ここで押さえておきたいのは、規制が一時的なものではなく国家単位で厳格に行われている点です。そのため、中国向けにSNSマーケティングを行う場合は、現地で主流となっているプラットフォームを活用する必要があります。
代わりに、中国国内には代替となるSNSが複数存在し、ユーザーは生活シーンに合わせて使い分けています。
※一部、VPNを使用して閲覧する方法がありますが、許可された事業者のみ可能です。
中国でInstagramの代わりに使われているSNS「小紅書(RED)」とは

中国ではInstagramが利用できないため、代替手段として注目されているのが「小紅書(RED)」です。「中国版Instagram」と呼ばれることもある小紅書(RED)は、SNSとECが一体化した中国独自のSNSです。本項では、特徴を以下の4つにわけて解説していきます。
- 投稿スタイルの特徴とコンテンツの種類
- 主なユーザー層と年代
- Instagramとの違い
- 中国で人気の他SNSとの違い
小紅書(RED)の特徴を押さえて、インバウンド集客に活用しましょう。
投稿スタイルの特徴とコンテンツの種類
小紅書(RED)の投稿は、体験談とビジュアル表現を組み合わせた形式が主流です。日常の一コマを切り取ったような自然な投稿が多く見られます。
写真・動画・長文レビューに対応しており、視覚的にも読み物としても楽しめる設計になっています。
特に人気があるコンテンツの種類は、実体験をもとにした以下のような投稿です。
- 旅行や飲食の体験レポート
- 化粧品のHow-to系レビュー
- 購入品紹介など
また、小紅書の投稿には「タグ付け」「位置情報」「商品リンク」を付けられる仕組みがあり、投稿から関連情報を閲覧できるページや購入ページにスムーズに遷移できます。検索性と購買導線が強化されている点も、他のSNSと異なる強みです。
主なユーザー層と年代
小紅書(RED)は月間アクティブユーザー数が約3億人おり、ユーザーの男女比は約3:7で女性が多いのが特徴です。
特に若年層の利用が多い傾向にあります。利用者の約半数は1995年以降に生まれた世代で、そのうち35%は2000年以降に生まれたZ世代です。つまり、SNSを通じて、日常的に情報収集や購買を行うデジタルネイティブ層が中心を占めています。
この世代は流行に敏感で購買意欲も高く、特に化粧品やファッション分野では「89%が購入検討時に小紅書(RED)を参考にしている」とされるほど、小紅書(RED)の影響力は大きいです。
一方で、近年は男性ユーザーや40代以上の利用者も増加し、旅行・グルメ・家電などの幅広いテーマで投稿が盛んになっています。
そのため、小紅書(RED)は女性向け商材にとどまらず、多様なユーザーに利用されているプラットフォームへと拡大しています。企業にとって幅広いターゲットにアプローチできる場です。
参考:果集(guoji)「【千瓜数据】2025「活跃用户」研究报告(小红书平台)」
出典:アライドアーキテクツ株式会社「KOCからの発信が商品購入や店舗来店の後押しに効果的!アライドアーキテクツが『小紅書(RED)利用実態調査』を実施」
Instagramとの違い
Instagramと小紅書(RED)を比較すると、両者の強みは大きく異なります。
Instagramはビジュアル表現に優れ、ファッションやライフスタイルの世界観を発信して「ブランドイメージ」を構築するのに適しています。ただし、商品購入には外部リンクや実店舗を経由する必要があるため、売上につながりにくいという課題があります。
一方、小紅書(RED)は投稿から商品検索、購入までをアプリ内で完結できる仕組みです。さらに、実体験に基づいた口コミによって情報が自然に広がるため、ユーザーが投稿を見てすぐに購買へと移行しやすい点が特徴です。
このように、Instagramはブランディングを目的とした発信に適しており、一方で小紅書(RED)は購買行動を促進するSNSとして位置づけられます。
中国で人気の他SNSとの違い
中国には、小紅書(RED)のほかにもWeChatやWeiboなどの主要SNSがあります。これらはそれぞれ役割が異なるため、特徴を理解して使い分けることが欠かせません。それぞれの特徴を以下にまとめました。
SNS名 | 特徴 |
小紅書(RED) | 信頼性の高い口コミが中心。投稿から購買までアプリ内で完結する設計 |
メッセージだけでなく、決済・予約・ECまで可能なSNS。 | |
リアルタイム性と拡散力が高い。話題づくりや認知拡大に効果的 |
WeChatは日本のLINEに近い機能を持ち、メッセージ機能に加えて決済・予約・ECまで統合された生活インフラとなるSNSです。ただしクローズドな環境で使われるため、拡散力は限定的で、新規顧客の獲得にはあまり向いていません。そのため、オープンな環境で口コミが広がる小紅書(RED)とは、情報伝達の仕組みそのものが異なります。
一方のWeiboは「中国版X(旧Twitter)」と呼ばれ、拡散力とリアルタイム性に優れています。社会的なトレンドやニュースを素早く広げられる点が強みで、短期間で認知を拡大するのに適しています。ただし、口コミの信頼性や購買行動への誘導は、小紅書(RED)ほどスムーズではありません。
それぞれのSNSには異なる特徴があるため、目的に応じて使い分けることを推奨します。
中国版Instagram「小紅書(RED)」が支持される3つの理由

小紅書が中国で圧倒的な支持を集めている理由は以下の3つです。
- 口コミが中心で信頼を生みやすいから
- 検索から購買まで完結する仕組みが整っているから
- 使い方の自由度が高いから
それぞれ詳しく解説します。
1.口コミが中心で信頼を生みやすいから
小紅書(RED)が多くのユーザーに支持されている理由は、実体験に基づく口コミ投稿が中心なところです。中国の消費者は広告よりも、商品を使用した人の意見に強い信頼を寄せる傾向があります。そのため、フォロワー数の多さよりも、リアルな体験談が評価されやすい傾向です。
加えて、ステルスマーケティング(宣伝していることを隠し、第三者の口コミや体験談であるかのように見せる手法)への対策が徹底されている点も支持される理由です。虚偽のコンテンツや過度な宣伝は排除されやすい仕組みが整備されています。
たとえばクリニックの投稿で誇張表現がされた際、ユーザーから批判を受けてアカウント停止処分を受けたケースもありました。
これらは「実際に役立つ情報を重視する」という中国の文化的価値観と一致しており、結果的にユーザーからの信頼を高める要因となっています。
2.検索から購買まで完結する仕組みが整っているから
小紅書(RED)の魅力は、検索から商品購入までをアプリ内で完結できる点にあります。ユーザーは気になる投稿を見つけると、そこから直接関連する商品ページに遷移し、そのまま購入できます。
従来のSNSでは「投稿を見る → 外部リンクをクリック → ECサイトで購入」というように複数のステップを踏む必要があり、途中で離脱が発生しやすい構造でした。
小紅書(RED)では離脱リスクを最小限に抑え、購買意欲を維持したままシームレスに購入までつなげられる設計がなされています。
また、企業側にとっても「認知から購買に至るまでのユーザーの行動」を一貫して可視化できるため、広告施策の効果測定や改善にも活用しやすいという利点があります。
3.使い方の自由度が高いから
小紅書(RED)には写真・動画・ライブ配信・EC連携などの多彩な機能が揃っており、企業活動に活用できます。目的に応じて手法を柔軟に選べる点は、他のSNSにはない特徴です。
たとえば、コスメやファッション分野では写真や短尺動画を使って商品の魅力や使用感を伝えるのが効果的です。観光業ではライブ配信を活用し、現地の雰囲気や体験を臨場感たっぷりに届けることで、ユーザーに強い印象を残せます。
また、キャンペーンやハッシュタグ企画などを組み合わせることで、話題づくりや認知拡大も可能です。このように、多様な機能とさまざまな施策を組み合わせられる自由度の高さは、ブランド戦略の選択肢を広げ、長期的なファン獲得にもつながります。
日本企業が中国版Instagram「小紅書(RED)」の成果を高める4つのポイント

小紅書(RED)は、中国市場でのインバウンド集客に影響力を持つSNSです。しかし、単純にアカウントを開設して投稿するだけでは、十分な効果は得られません。
そのため、日本企業が中国版Instagram「小紅書(RED)」で成果を出すために、以下の4つのポイントを意識しましょう。
- ユーザー目線のコンテンツを投稿する
- 動画コンテンツを投稿する
- 中国マーケティングに強い代行会社の活用も視野に入れる
- 目的に合わせてKOL・KOCを有効活用する
以下の項で詳しく解説します。
1.ユーザー目線のコンテンツを投稿する
小紅書(RED)で成果を上げるには、商品を「売る」ことを前面に出すのではなく、ユーザーに共感されるコンテンツを意識することが重要です。中国のユーザーは広告的な表現に敏感で、過度な宣伝は敬遠されやすい傾向があります。
そのため、商品の魅力を直接訴求するのではなく、日常生活の一コマとして自然に紹介する方法が効果的です。
たとえば、スキンケア用品の使用感を朝のルーティンの中で紹介したり、カフェの人気メニューを友人との会話の一部として取り上げたりすることで、読者に「自分ごと」として受け取ってもらいやすくなります。
小紅書(RED)では、体験の共有が評価される文化が根づいており、リアルな投稿が評価されやすい設計です。結果として、購買やフォロワー獲得にもつながります。
2.動画コンテンツを投稿する
小紅書(RED)では、写真だけでなく動画を活用することで、より高いエンゲージメントを得られる傾向があります。特に短尺動画は、視覚的な訴求力に優れ、ブランドの世界観や商品の魅力を直感的に伝えられます。
たとえば、旅行業界であれば「旅先の風景や宿泊体験を30秒にまとめた動画」、飲食業界では「料理が運ばれてくる瞬間や店内の雰囲気を映した映像」などが有効です。
写真だけでなく動画も組み合わせることで、情報の伝達力が増し、ブランドへの印象をより鮮明に残すことができます。
3.中国マーケティングに強い代行会社の活用も視野に入れる
小紅書(RED)の運用には言語の壁だけでなく、中国特有の文化や規制を理解しておく必要があります。誤った表現を使えば炎上やアカウント停止につながる可能性もあります。
そのため、経験豊富な中国マーケティング代行会社を活用しましょう。代行会社は現地のトレンドや投稿ルールに精通しており、効率的な運用をサポートしてくれます。
弊社では小紅書(RED)の運用も得意しており、クリニックから不動産まで、幅広い業種の集客に対応しています。現地ユーザーに届く施策を設計したい企業担当者は、ぜひ一度ご相談ください。
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4.目的に合わせてKOL・KOCを有効活用する
小紅書(RED)を効果的に運用するには、インフルエンサーの力を借りることもおすすめです。中国SNSマーケティングで押さえておく必要があるのが KOL(Key Opinion Leader) と KOC(Key Opinion Consumer) です。
KOLは有名ブロガーや人気配信者のように多数のフォロワーを抱える存在で、短期間で認知を広げたいときに有効です。一方、KOCは一般ユーザーであるものの、実体験に基づく投稿が自然な口コミとして受け入れられやすく、信頼感の醸成に適しています。
例として、新商品のローンチ時にはKOLを起用して注目を集め、KOCが実際に使用した感想を投稿すると「話題性」と「信頼性」の両面からユーザーを惹きつけられます。
目的に応じて両者を組み合わせることで、認知拡大とファン獲得につなげられるでしょう。
中国版Instagram「小紅書(RED)」を活用した企業の成功事例2選

本項では、中国版Instagram「小紅書(RED)」を活用した企業の成功事例を2つ紹介します。
- ルイ・ヴィトン
- 株式会社星野リゾート
小紅書(RED)は、幅広い分野で導入されています。
本項を参考にしながら、自社での活用を検討する際に活かしてください。
1.ルイ・ヴィトン|春節キャンペーンによって中国市場売上
ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)は、小紅書(RED)を活用した春節キャンペーンを通じて、中国市場におけるブランドの存在感をさらに高めました。
春節(旧正月)にあわせ、中国の伝統色である「赤」と「金」を基調にした限定商品を展開しています。小紅書では、これらの商品を高級感あふれる写真や動画で発信し、視覚的な印象づけを強化しました。
また、富裕層や若年層に支持されるインフルエンサー(KOL)を起用し、商品の魅力を短尺動画で自然に訴求しています。キャンペーン投稿は小紅書上で大きな注目を集め、ブランド認知の拡大と売上の向上につながりました。
参考:小紅書「路易威登」
2.株式会社星野リゾート|季節感ある投稿によって多数のフォロワー獲得
星野リゾートは、小紅書(RED)を通じて訪日中国人観光客への訴求を強化しており、傘下のホテルや周辺の観光情報を積極的に発信しています。
投稿の特徴は、日本の四季折々の風景を活かして季節感を演出している点です。春は桜、夏は青い海や山、秋は紅葉、冬は雪景色と、時期ごとの自然美を切り取ったコンテンツが評価されています。
さらに、写真の色味や構図をそろえることで、投稿全体に統一感を出しています。統一されたビジュアルはユーザーの目に留まりやすく、ブランドを覚えてもらう効果も高まるでしょう。
こうした工夫により、アカウントは短期間で多くのフォロワーを獲得しました。口コミによる拡散も相まって宿泊予約数の増加につながっています。
参考:小紅書「星野集团」
小紅書(RED)の企業アカウント開設方法

小紅書(RED)の企業アカウントを解説する流れは以下の通りです。
- 個人アカウントを作成する
- 必要情報を入力し申請費用を支払う
- 約1週間で開設完了
申請手続きの流れはシンプルで、まず公式ページにアクセスし、基本情報を入力して登録します。その後、必要書類をアップロードし、審査を受けます。
提出が必要な書類は「商標登録証明書」「代表者の身分証明書」などの書類が中心です。
審査には約1週間かかり、承認された上で定期的なコンテンツ投稿、100人以上のフォロワー、アカウント開設から3ヵ月以上の条件を達成すると公式認証マークが付与されます。
企業アカウントが開設されると、広告配信や詳細なデータ分析などのビジネス向けの機能が利用できるようになります。なお、アカウント開設時には「企業アカウントのみ」「企業アカウント+商品販売」「企業アカウント+広告配信」といったタイプを選択します。
基本的な情報発信だけなら海外法人でも申請できますが、販売や広告配信をともなう場合は中国現地法人が求められます。現地法人がない場合は、認定パートナー企業を通じて申請・運用を行う方法もありますので、事前にどのタイプで申請するのかを確認しておきましょう。
開設自体は複雑ではありませんが、書類の不備や入力ミスがあると審査が長引く可能性があるため、事前に書類を整えておくことが重要です。
小紅書(RED)の企業アカウントの登録方法は、以下の記事で画像付きで詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
小紅書(RED)の企業アカウント開設方法|個人アカウントとの違いや注意点を解説
まとめ|中国版Instagram「小紅書(RED)」の運用なら東京マンダリンアワードに相談を

中国ではInstagramが規制により利用できないため、代替SNSとして小紅書(RED)が広く使われています。
小紅書(RED)は体験談を軸にした口コミが中心のSNSです。
検索から購買までを完結できる仕組みを備えており、日本企業にとって中国市場での集客や売上拡大を実現する可能性を秘めています。実際にルイ・ヴィトン、星野リゾートといった企業が小紅書(RED)を活用し、認知度の向上や来訪者数の増加につなげています。
ただし、小紅書(RED)の運用には中国独自の文化や商習慣、規制面に対する正しい理解が必要です。現地のユーザーに共感される投稿設計や、KOL・KOCの起用、効果測定までを適切に実施するには、専門的な知識と経験が求められます。
東京マンダリンアワードでは、中国SNSに特化したノウハウをもとに、戦略立案からアカウント開設、運用代行、コンテンツ制作、効果測定まで一貫してサポートします。
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