2026年6月の市場変化から見る、中国人の日本不動産購入ニーズ
「来日してから探す」よりも、「来日前に調べて比較する」流れへ。
2026年6月の対日不動産市場では、中国人ユーザーの関心が東京一極から大阪・神奈川などへ広がり、実需・家族居住を前提とした比較検討が強まっています。RED NOTEでは3LDK・4LDKや生活利便性の高いエリアへの関心が目立ち、在留中国人も増加。加えて、人民元ベースでは日本不動産が相対的に買いやすく見えやすい環境です。一方で、訪日客数の減少、金利上昇、住宅価格・地価の上昇、制度管理の強化など慎重材料もあります。今後は「投資」だけでなく、生活圏・教育・通勤・家族居住・資産保全まで含め、来日前に比較・判断できる情報発信が重要です。
中国SNSを問い合わせ・商談につなげるために
東京マンダリンアワードでは、中国SNSの運用実務を踏まえ、日本の不動産事業者がどのような発信を行えば、問い合わせや商談につながりやすいかについても解説します。
中国人顧客に物件を検討してもらうためには、物件情報を掲載するだけでは十分ではありません。その物件でどのような生活ができるのか、収益物件であればどのような価値を期待できるのかを、写真や動画で分かりやすく伝えることが重要です。
また、投稿からDMでの問い合わせ、オンライン相談、内見、購入検討へとつなげる流れを整えることで、中国SNSを実際の集客や販売に活用しやすくなります。
中国市場向けプロモーションに関するご相談について
自社内でのSNS運用体制構築が難しい場合や、中国本土・中華圏(台湾・香港等)に向けた不動産販売訴求に課題を感じている事業者様に向けて、東京マンダリンアワードでは中国SNS運用に関する各種ご相談を承っています。あわせて、外国人投資家との取引における実務的なz課題や、中国市場に向けたプロモーション開始の適切なタイミングについてのご相談も可能です。
お問い合わせフォームより無料相談をお申し込みいただいた方には、 貴社の事業規模・エリア・物件特性に合わせて、 中国SNS「RED NOTE」を活用した中国人新規顧客獲得の考え方や、 実務上の改善ポイントをミーティング形式でご案内しています。 中国SNS上の実データを踏まえた、現実的な集客導線設計の一助として、 ぜひご活用ください。

目次
RED Note 投稿データで読む 日本不動産関心分布| 2026 年 6 月版
本レポートで用いた主な分析指標
・都道府県別投稿シェア率
・市区町村エリア別投稿シェア率
・駅別投稿シェア率
・価格帯別投稿シェア率
・物件種別投稿シェア率
・間取り別投稿シェア率
・用途別投稿シェア率
2026年6月のRED NOTE日本不動産データを見ると、中国人ユーザーの関心は「東京一極」からやや広がりつつ、実需・居住を前提とした具体的な物件選びへ深まっていると読めます。
都道府県別では東京都が55.2%で依然トップですが、5月の63.3%から低下。一方、大阪府は9.7%→13.5%、神奈川県は6.3%→9.3%へ上昇しました。市区町村では横浜市が5.3%→6.6%で首位となり、川口市も3.7%→5.0%へ伸長。駅別でも川口駅が1.8%→3.5%で1位となり、池袋駅、赤羽駅、錦糸町駅なども上位に入っています。
都心だけでなく、生活利便性と都心アクセスを両立できる周辺エリアへ関心が広がっている点は重要です。
価格帯では4,000万〜7,000万円が30.5%で首位を維持したものの、5月の33.7%から低下。1億〜3億円も30.7%→26.3%へ低下する一方、7,000万〜1億円は12.0%→15.1%、2,000万〜4,000万円は9.3%→14.3%へ上昇し、検討価格帯の広がりが見られます。
物件別では一戸建てが43.2%で最多ですが、一般マンションは28.3%→32.8%へ上昇。間取りでは3LDKが41.3%で首位を維持し、4LDKも16.4%→20.1%へ伸びました。さらに用途別では実需が92.3%→93.4%となり、投資は6.6%。
RED NOTE上では、利回りだけを見る投資よりも、家族で住める広さ、生活環境、将来の売却も意識した住宅選びが中心になっていると考えられます。
検索ワードでは「日本租房」(和訳:日本の不動産賃貸)29,426回、「日本一户建」(和訳:日本の一戸建て)21,052回、「日本买房」(和訳:日本で家を買う)10,464回が上位。
ハッシュタグでも「#日本买房」(和訳:日本で家を買う)34.4%、「#日本生活」(和訳:日本での生活)31.7%、「#日本房产」(和訳:日本の不動産)22.0%が上位となっており、「物件」だけでなく「日本でどう暮らすか」への関心の強さが見えます。
不動産会社は、東京・横浜・川口・大阪などのエリア比較、通勤・生活利便性、3LDK・4LDKの家族利用、価格帯の違いをセットで発信することで、実需層・投資層双方の比較検討を後押しできます。
次に発信すべきテーマは「中国人家族が実際に住むなら、東京・横浜・川口・大阪のどこを選ぶべきか」です。









中国人訪日観光客数の動向(2026 年 6 月実績と前年同月比較)

2026年6月の中国人訪日観光客数は340,700人となり、前年同月の798,001人から57.3%減少しました。(参照:訪日外客数(2026年6月推計値))
前年水準を大きく下回っているため、中国人向け不動産販売でも「来日してから物件を見る」「旅行中に内見して即決する」といった動きは弱まりやすいと考えられます。
ただし、訪日客減少をそのまま不動産需要の消失と捉えるべきではありません。むしろ、来日前にSNSやオンラインで物件を比較し、候補を絞ってから相談・来日する重要性が高まる可能性があります。
不動産会社にとっては、店舗への来訪を待つより、中国語での事前情報提供やSNS発信、オンライン相談への導線整備が重要です。
中国SNSでは、物件価格だけでなく、生活圏・学区・通勤利便性・エリア比較に加え、人民元換算価格や購入プロセスを見える化することで、来日前でも判断しやすい環境を作れます。
次に取るべき発信アクションは、「来日前に比較・相談できる物件情報」の発信強化です。
在留中国人 令和7年末在留中国人最新データ


令和7年末の在留中国人は930,428人と前年比57,142人増加し、在留外国人の22.6%を占め、国籍・地域別で最多となりました。(参照:出入国在留管理庁)
内訳も永住者357,565人を筆頭に、留学148,151人、技術・人文知識・国際業務117,314人、家族滞在93,581人と幅広く、短期滞在ではなく、就労・教育・家族・定住まで多様な生活需要が形成されている点が重要です。
地域では東京都が305,303人、32.8%と突出し、一都三県で58.8%、TOP20で全国の92.8%を占めます。大阪、埼玉、神奈川、千葉、愛知にも大きな集積があり、中国人コミュニティが複数の生活圏に広がっていることが分かります。不動産会社にとっては、この動きを「投資需要」だけでなく、実需・賃貸・教育・就労・家族移住を伴う中長期需要として捉えることが重要です。
中国人居住者の集積は、将来の賃貸需要や再販時の買い手層にもつながる可能性があります。中国SNSでは「中国人が多い街ランキング」だけでなく、東京・大阪・埼玉・神奈川・千葉・愛知を、生活利便性や教育・通勤・永住ニーズで比較する発信が有効です。
次に発信すべきテーマは、「中国人が住みやすく、資産性も見込めるエリア比較」です。
ドル円・人民元円相場| 2026 年 6 月版

2026年6月の為替環境は、中国人投資家から見て、日本不動産の「人民元ベースでの買いやすさ」がやや改善した月と捉えられます。
ドル円は月初159.66円から月末162.61円へ上昇し、月間+1.85%。円安基調が続いたことで、日本の資産価格が海外投資家から相対的に割安に見えやすい環境となりました。
さらに人民元円も23.598円から23.949円へ上昇し、月間+1.49%。1人民元で交換できる円が増えたため、中国人投資家にとっては、同じ円建て物件でも人民元換算での心理的な購入ハードルが下がりやすく、問い合わせや比較検討を後押しする材料になります。
中国SNSでは「円安」だけを強調するのではなく、実際の物件価格を人民元換算で表示し、「先月比でどの程度買いやすく見えるか」「東京・大阪で人民元換算するといくらか」といった比較型コンテンツが有効です。
割安感に加え、資産保全や価格比較のしやすさまで伝えることで、投資判断の安心感につながります。
次の発信では、円建て価格と人民元換算価格を併記した物件紹介を増やすことが有効です。
中国人対日不動産投資 金融環境サマリー| 2026 年 6 月版

2026年6月は、日本の不動産金融環境が「融資はまだ利用しやすい一方、資金調達コストは上昇する」方向へ進んだ月です。
日銀は政策金利を0.75%から1.00%へ引き上げ、10年国債利回りも2.6%台後半の高水準で推移しました。
住宅ローンでは、変動金利への影響は現時点で限定的ですが、固定金利やフラット35は上昇。不動産投資ローンについても、銀行の長期貸出金利の上昇から、借入コストは上向きとみられます。
一方、日銀短観では金融機関の貸出姿勢は引き続き緩和的であり、現状は「融資が止まる」というより、「借りられるが金利負担が重くなる」環境と整理できます。
中国人投資家、とくに現金購入層にとっては直接的な金利影響は限定的ですが、将来の売却時には、日本人買主の融資余力が出口価格に影響する可能性があります。
中国SNSでは、単なる物件紹介ではなく、「日本进入1%利率时代,房产还能买吗?」(和訳:日本が政策金利1%時代へ。不動産はまだ買い時か?)など、金利と購入判断を結び付けた発信が有効です。
次に注目すべき点は、追加利上げの時期と、不動産融資の金利・融資比率への波及です。
住宅価格・地価動向サマリー| 2026 年 6 月版

住宅価格・地価動向は、全国としては「上昇継続」ですが、実態はエリア・用途による二極化が進んでいます。
住宅価格指数では、住宅総合148.0に対しマンションは225.1、前年比+8.4%と突出して強く、戸建住宅も前年比+3.8%と上昇。一方、住宅地は前年比+1.4%にとどまり、建物種別による差が鮮明です。
エリア別では京阪神圏が前月比+2.0%、前年比+7.5%と強い一方、南関東圏は前月比-0.8%、名古屋圏は-0.1%となっており、「日本不動産なら一律に上がる」という見方ではなく、地域選別が重要になっています。
中国人投資家向けには、値上がり率だけを訴求するより、「資産保全」「東京・大阪・名古屋の比較」「マンションと戸建の価格差」「住宅と商業用の用途別動向」をセットで見せる発信が有効です。
特に商業地は前年比+4.3%と住宅地+2.1%を上回っており、投資目的の違いを説明する材料になります。
RED NOTEなど中国SNSでは、「日本房产还在涨吗?」(和訳:日本の不動産価格は、まだ上がっている?)、「东京和大阪,哪里更值得配置?」(和訳:東京と大阪、資産を持つならどちらが有望?)のように、比較・判断型コンテンツへ落とし込むことで、単なる物件紹介より投資判断の安心感を提供できます。
次に注目すべき点は、価格上昇が続く中での金利上昇と、エリア別の需給変化です。
外国人不動産投資・在留制度 月次法改正レポート| 2026 年 6 月版
2026年6月は、外国人投資家に関する制度管理が一段と強まった月です。
入管では6月14日から、在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化できる「特定在留カード」が開始され、新様式カード・本人確認実務も変更されました。
また、6月5日公布の改正入管法では、JESTA(電子渡航認証制度)の創設と、在留資格変更・更新等の手数料上限引上げが決定し、今後段階的に施行予定です。
「経営・管理」は2025年10月の大幅厳格化後も移行期間中ですが、6月26日にQ&A等が更新され、租税・社会保険を含む適正な事業運営が引き続き重要です。
不動産取得では、4月1日から非居住者による居住用不動産等も外為法上の事後報告対象が拡大し、住所・氏名変更登記も義務化されました。(参照:財務省)さらに6月26日にはAML対策の規則改正が公布され、2027年4月から金融機関間の不正利用口座情報共有が強化されます。政策面でも外国人による土地取得ルールの検討が継続しており、現時点では一律の購入禁止ではなく、取得実態の把握・報告・本人確認等の管理強化を検討する方向と整理するのが適切です。
中国人対日不動産購入環境 総合評価レポート| 2026 年 6 月版

編集後記
2026年6月の中国人による対日不動産購入環境は、総合的には「B 通常」と見ます。
RED NOTEでは東京一極から大阪・神奈川などへ関心が広がり、実需は9割超、3LDK・4LDKなど家族居住を意識した比較検討が目立ちました。
一方、訪日中国人は前年同月を大きく下回っており、SNS上の関心がそのまま来日・内見・即決につながる局面ではありません。
反対に、在留中国人は増加し、永住・就労・留学・家族滞在まで需要の裾野は広がっています。
為替は人民元ベースの買いやすさを支える一方、金利上昇、住宅価格・地価の上昇、本人確認や報告を含む制度管理の強化は、購入判断を慎重にする要因です。
つまり、「関心は強いが、決断にはより多くの情報が必要」というのが今月の特徴といえます。
今後の営業・SNS発信では、「投資物件」だけでなく、生活圏、教育、通勤、家族居住、資産保全、人民元換算価格、購入手続まで含め、来日前に比較・判断できる情報設計が重要です。
価格や利回りだけでなく、「どこで、誰と、どう暮らすか」まで見せることが、実需層にも投資層にも響きやすくなります。
次月は、追加利上げや融資条件の変化が、実際の購入予算と問い合わせ行動にどう波及するかに注目です。
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執筆者
中国SNSマーケティング責任者 浦 雄一
中国市場向けデジタルマーケティングを統括。不動産・美容・医療・観光分野を中心に、中国SNSを活用した集客・販売促進を支援している。
約5年間の中国留学・起業経験を経て、2007年に帰国。不動産鑑定業界・広告業界で約9年間の実務経験を積み、2017年に独立。中国人消費者への理解と、日本市場におけるマーケティング視点を掛け合わせた戦略設計を強みとする。
宅地建物取引士 / 2級FP技能士 / AFP / Advanced Marketer(JMA) / HSK6級
中国SNSを活用した集客・販売戦略に関する情報発信・教育にも取り組んでいる。